社長は男子高校生

株式会社飛脚堂の社長は男子高校生です。

弱小野球部はなぜ勝てるのか!?「弱くても勝てます」から学ぶ考え方

「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー

 

 

弱くても勝てます、という本を読みました。

弱小の開成高校野球部がどうして勝てる!?1週間に練習は1度、グラウンドもろくに使えない、守備もままならない。それでも予選BEST16。一体どんな勝つ論理があるのだろうか、という本。

日々の中で使える考え方がたくさんありました。

 

 

 

弱くても勝てます

開成高校は勉強では東大合格者数No.1など華々しいが、運動や部活で言うとそんなに目立った功績は見られません。しかし、開成高校野球部が2005年、強豪校が多い甲子園の予選、東東京大会でBEST16に入った。いったいどうやって。

 

弱いことを自覚している

まず読んで面白いなと思ったのが、監督も選手もどちらも自分たちが弱いことを自覚しているということです。

普通、弱いなんて自覚できません。ぼくなら意地でも認めたくないです。でも、開成高校野球部は「弱い」ということを認めた上で戦略を立てています。

「守備というのは案外、差がでないんですよ」

さらりと答える青木監督。―監督が選手たちに要求するのは「試合が壊れない程度に運営できる守備力」だった。

というように、ここの野球部は守備が強いというわけではない。かと言って、攻撃も安定しているかというとそうでもなく、むしろ攻撃は不安定です。

 

弱いチームには弱いチームのセオリー

監督曰く、打線が爆発するのを狙っているそう。打順で1番、2番は足の早いやつ、出塁できる奴というのが定番だが、それは強いチームの定番であって、弱いチームには通用しないのだそうです。なので、開成高校野球部は1番、2番からドンドン打つ選手を入れていく。

監督が言うには「どさくさで大量点を取って打ち勝つべし!」。実際、開成高校が勝利した試合は大量の点差を付けて勝っていることが多い。打線の波にのって、一挙に何得点もあげるそうです。

バッドはフルスイングすれば、ときどき大きい当たりが出る。だからフルスイングするべきとのことです。

そもそも彼らはどのようにポジションを決めているのだろうか。あらためて青木監督にたずねてみると、その基準は極めてシンプルだった。

・ピッチャー/投げ方が安定している。

内野手/そこそこ投げ方が安定している。

・外野手/それ以外。

「これだけですか?」と私が驚くと「それだけです」と青木監督。

こんな風に、守備は適当と言ってもいいほど。

 

論理的に怒鳴る

開成高校野球部の青木監督の指導法はユニークです。日常生活で使えそうなところがこちら。

ふと青木監督が常日頃放っている罵声を思い出した。彼の罵声も正確で論理が詰まっている。例えば、ー外野に赤いコーンが置きっぱなしにしているのを見ると、「それをどかせ!」というのではなく、「そこにコーンを置いたヤツはコーンを置くことの趣旨を理解していない!」と叫ぶ。ーぼんやりしている選手には「ウチの野球には安心できる場面などない!」。守備で球を手にしてあたふたしたりすると、「人間としての基本的な動き方ができていない!」「そんなことは起こりえない!」。客観的に正確に怒る。怒鳴ってはいるがー察するに生徒達の自主性を損なわずに、客観性で追い詰めるのだ。

ここ、面白いですよね。怒鳴る時も論理的に怒鳴る。これは使えそうです。それにしても、とっさに「そこにコーンを置いたヤツはコーンを置くことの趣旨を理解していない!」って言える監督さんはすごいです。ぼくも誰かに怒鳴る時はこんな風にどなります。

 

選手が論理的

開成高校の生徒たちが論理的なこともあるかもしれません。

選手はまるで国語の問題かのように答えたりします。

「苦手と下手は違うんです。苦手は自分でそう思っているということで、下手は客観的に見てそうだということ。僕の場合は苦手ではないけど下手なんです。」

野球ではなく国語の問題か? と私は思った

 

監督の野球だけにとどまらない哲学

最後にもう一つ、野球に留まらず、あらゆることに応用できる考え方です。

「グラウンドでやるのは『練習』ではない。」

監督意味不明なことを言った。ー練習じゃダメなんです。」

ーそれでなにを?

私がたずねると監督は明快に答えた。

「『実験と研究』です。」

ー実験と研究?

「グラウンドを練習ではなく、『仮設の場』として考えるんです。ー」

1球ごろに実験する。やること自体は同じだが、取り組む考え方を変えるのである。確かに私も「練習」と聞くと漫然とした疲労感を覚えるが、「実験と研究」なら目的意識を感じ、新鮮に響く。

どんな練習も、「練習」としてではなく、「実験と研究」としているという意識を持って取り組むことが、集中して問題に取り組めそうです。

 

 

これからは、ぼくも「練習」ではなく「実験と研究」を、そして論理的に怒鳴ろうと思います。

それにしても何だかぼくでも野球やれそうな気がしてきた。とりあえずフルスイングから…