社長は男子高校生

株式会社飛脚堂の社長は男子高校生です。

凡人には真似出来ない岡本太郎のスキー

岡本太郎の「自分の中に毒を持て」という本を読みました。岡本太郎という人物は、「太陽の塔」を作ったぐらいの人だと思ってた。「芸術は爆発だ!」と言って、爆発した芸術品をつくる芸術家ぐらいに思ってた。そんなもんじゃない。この本はとてつもないエネルギーを持っています。

 

岡本太郎は、ただの初心者のスキーでさえ、僕達の心を揺さぶってきます。

 

初心者だったから、最初はたらたらっとした斜面で練習させられたのだが、上の方を見あげると、絶壁のような上級コースが白々と輝いている。ああ、あんな凄いところで滑ってみたいなあ。とても駄目だろう、だが滑ってみたい。強烈な好奇心がぼくを惹きつけた。思い切ってリフトでそこまで登ってみた。

もうそろそろ、ウインタースポーツの季節です。ぼくはスキーもスノボもやりますが、はっきり言ってこんなことしたくない。いや、スピードは出したいなって思うけど、絶壁のような上級コースは、好奇心より恐怖が先立ってしまいます。

 

だがしかし、彼の文章からは恐怖は感じられません。冷静に「首の骨でも折って死んでしまうんじゃないか。ウーム!迷った。」と書いてある。僕だったら怖くて足がすくんで終わり。というか最初からそんな急斜面は来ないと思う。

 

しかしここまであがって来たのだ。来た以上、やってやろう。死と対面することこそが、いのちを燃やす真のよろこびじゃないか。ーとたんに、ステーンと、凄い勢いで転倒したーだが嬉しかった。何か自分が転んだというよりも、ぼくの目の前で地球がひっくりかえった、というような感じ。地球にとても親しみを覚えた。

滑って転んで、そして地球に親しみを覚えてしまう。並大抵の凡人に出来たことじゃあない。僕も例外なく、転んだら「痛いっ!」と言っているはず。毎年どこかしら痛くなって帰ってくる。

 

彼がスキーを始めたのは46歳。僕はまだ16歳だから、あと30年後にスキーを始めたことに。それでもこんなに好奇心旺盛だと、こんなに人生がカラフルで彩り豊かなものになるのかと思うと、好奇心は捨てないでとっておこうと。そして、今ある好奇心は最大限発揮しようと。好奇心は枯渇することがないです。本人の意志さえあれば。好奇心を忘れずにいれば、ボケないそうです。だから好奇心を忘れずにいようというわけではないですが、それでも「好奇心はこんなにも人生を豊かにしてくれるんだ」と改めて岡本太郎のスキーを見て(読んで)思いました。

 

それにしても、ただの文字なのに、スキーの様子がありありと思い描けるのは、なんでだろう…これも岡本太郎の才かな。

 

「自分の中に毒を持て」、ぜひ皆さんにも読んで欲しい。読まないと伝わらないエネルギーが詰まっています。